娘はディスレクシア★その1★


ディスレクシアとは、知的に問題が無いけれど、読み書きに困難さがある症状のことです。
学習障害の中に分類されているようです。
子供たちの通っている小学校では、夏休み明けに「漢字コンクール」と「計算コンクール」があります。
ダウン症の息子は、コツコツと頑張る子なので、もちろん小6にして低学年で習う漢字のレベルではありますが、去年と今年で漢字コンクールで良い成績を取ってきました。
しかし、娘は去年、兄よりも成績が悪かったので、今年こそは、と夏休みの間に彼女なりに考えて漢字の練習をしていました。
それなのに、50点にも届かない結果でした。
ショックを受けた娘は1人で部屋に閉じこもって30分以上大声で泣いていました。
「私はバカだ。」とも言いました。
この時に、私は今まで「……あれ?」と思っていた様々な小さなことが、全部まとまりとして見えたのでした。
「この子、ディスレクシアじゃないか?」と。
私が小5~6の時のクラスメイトに「読み」に大きな問題を持つ男子がいました。
ひらがなはぽつぽつとしか読めず、漢字はほとんど読めませんでした。
でも、頭が悪いという子ではありませんでした。
とても気が優しくて、学校で飼ってる動物のお世話をさせたら彼がダントツで、私たちは彼のことを尊敬すらしていました。
今から思うと、歳に似合わずちょっと俯瞰してモノゴトを観ていたんじゃないか、とすら思える発言も時々ありました。
字は読めないけれど、賢い子だったのです。
数年前に、テレビでディスレクシアのことを知った時に、真っ先に彼のことを思い出しました。
そのためディスレクシアについては私の中ではとても印象に残ることとなったのですが、
娘がディスレクシアではないか、と疑うことは全くありませんでした。
それなりに読めますし、書けるからです。
本を読むのも好きなのです。
しかし、3年生になっても、音読での(特に助詞などの)読み間違えがちっとも減りませんし、字も上手にならないし、漢字も覚えたはずのものでも間違って書くことがとても多かったのです。
算数の文章問題で、簡単な問題文なのに「分からない。」と言うこともちょいちょいありました。
落ち着いてちゃんと読みなさい、落ち着いてちゃんと書きなさい、落ち着いてちゃんと書き取りして覚えなさい、ちゃんとやればできるから……としか、娘には言っていませんでした。
小学生の勉強程度なら、私ができたことは娘もできると思い込んでいたのです。
しかし。
頑張ったのに50点に満たない漢字テスト。
本人も頑張ったからこそ、「私はバカだ。」と大泣きしてる。
絶対におかしい。
ディスレクシアの「ケ」があるんじゃないか。
そう思って、おとーちゃんに相談しました。
最初こそ、「そんなことないよ。」と言っていたおとーちゃんですが、私が引き下がらないので、いろいろ調べだしました。
すると、こんな記事を見つけました。
隠れディスレクシア
おとーちゃんがこれを読んで、「この子、これだね。」と言いました。
これで夫婦間の認識が一致することになりました。
すぐにおとーちゃんのお休みの日に大きな本屋に一緒に行って、専門書を何冊か買い込みました。
視力は普通でも、見る機能が弱いと読み書きにも問題が出るということで、ビジョントレーニングの本も購入しました。
読めば読むほど、重くはないけれど、娘はディスレクシアだ、とどんどん確信が深まっていくばかりでした。
そんな最中、算数の宿題をしながら、またしても文章問題で「分からない。」と言うので、
つい私が「何が分からないの?」と聞き返したところ、ぽろぽろっと泣きだしてしまいました。
「何が分からない?ってお母さんは訊くけど、何が分からないか分からないのっ。分かる時は分かるけど、分からない時は問題を読んでてもコンセント(とプラグ)がパチリとはまらないみたいになって、頭がぐにゃっとして何書いてあるか分からないんだもんっ。私の頭はやっぱりバカなんだぁぁぁぁ。」
と泣きながら言ったのです。
ああ、これはディスレクシアの典型だなぁ……と、私の方が内心ちょっと泣きたいような気持ちになったのですが、
「そんなことないよ。バカじゃないよ。ごめんね。お母さんね、そんなふうになることがなかったから分からなかったんだよ。だから『何が分からんの?』とか『ちゃんと読みなさい。』としか言わなかったけど、娘ちゃんはそうなる時があるんやね。じゃあ一緒にコンセントがはまるようにちょっとずつ読んでみようか。線にしたらいつもすぐ分かるから、そうしてみようね。」
と、なだめるように言って娘の気持ちを落ち着かせてから、線分図を一緒に書いて問題を解かせました。
線分図にできるともちろんすぐに解けるので、それから問題を読み直すと、「なんで分からなかったんだろう。」って本人も不思議に思うようでした。
娘がディスレクシアではないか、と気づいてから、私はじぇいど♪さんに相談をたくさんしました。
アメリカは凸凹のある子供の教育が日本より手厚い面もあるので、アメリカで子育てをしてきた彼女に相談させてもらったのでした。
とてもとてもありがたかったです。
娘が4歳の時から可愛がってくれている月子さんには、関ジャニ∞のリサイタル静岡公演に一緒に行った時に話しました。
いろんなもやもやを抱えたままだったので、その時にたくさん話を聞いてもらいました。
待ちに待ったイベントに向かう途中なのに、月子さんはイヤな顔せず真剣に聞いてくれました。
そして、その翌日に、学校に定期的に来てくれるスクールカウンセラーさんに相談に行きました。
「おかしい。」と気づいてから、10日ほど経っていました。
★★ 続く ★★

“娘はディスレクシア★その1★” への6件の返信

  1. こんにちは。
    たぶん、私も隠れディスレクシアだと思います。
    今もディスレクシアをディクレシアとしか読めなくて、何回も見直しながらコメントを書いているところで(笑)。
    小学校3年までは教科書の音読という宿題が一番苦手で…読み間違えや単語飛ばしばっかりしてました。
    私が日本語(書き文字)を、日常生活でそれなりに使えるようになったのは漫画を買って読むようになってからでした。
    今も漢字を書くのは苦手ですし、文字を手書きで書くのはいつも苦労しています。
    それでも、目で読んだ言葉(書き文字)が耳で聞いた言葉に自動的に変換されているから普通に生活できているのかなって思います。
    大学までちゃんと進学できたのは…浪人したり留年したりしてますけど、自分なりの努力の結果なのだと思います。
    学生時代はいつも『私は馬鹿だ』と自虐的になる気持ちと『分かっているのに伝えられない』と悲しむ気持ちの間を揺れ動いていました。
    普通の人が楽々とこなしていることが出来ないことが辛かったです。
    でも、それが自分なのだからしょうがないです(笑)。
    私だから出来ることもあるって、今は知ってますから♪
    手書きは今も苦手ですが、キーボードを使えば日常で差し障りない程度の文章は打てます。
    そして文章を打つことに慣れたら、文字を書くことも少しは楽になりました。
    文字は下手ですが…ね、今も変わらず(((^_^;)

  2. コメントありがとうございます。
    いただいたお手紙を思い出して、失礼ながら言われてみればああなるほど、と思いました。
    でも、今はキーボードがあるのでディスレクシアの人たちにとって表現のしやすさは格段に良くなってますよね。
    娘に楓さんのコメントを読んでやりました。
    自分だけじゃないんだ、大人にも同じような人がいるんだ、と分かったようです。
    コメントしてくださって、ほんとにありがとうございました。

  3. たみえさん
    貴重な記事、どうもありがとう
    ございます☆
    私も、この記事、後程ブログで
    ご紹介させて頂きますね。^^
    全部まとまってからの方が
    良いかしら。。。
    それにしても、
    素適なお写真ですね☆
    たみえさんが撮られたのですか?

  4. うちの娘も似たり寄ったりな点数とります。その部類に入るかも知れません?
    迫り来る時がんがきになりますよね?
    宿題はタイマーかけながらやらせるようにしてます?なるべく励ましてやる気をだすようなかんじで学習をさせてます?

  5. > 全部まとまってからの方が
    > 良いかしら。。。
    どちらでもいいですよ。
    ただ、mixiの方でも書きましたが、3からは私の話になってくるので、ディスレクシアについては1と2だけのご紹介でもいいと思います。
    よろしくお願いします。
    > それにしても、
    >
    > 素適なお写真ですね☆
    >
    > たみえさんが撮られたのですか?
    ありがとうございます。
    庭に自生してるのをスマホで撮って、mixiの画像修正ツールでちょっとフォーカスを強調しただけですよ~。

  6. > うちの娘も似たり寄ったりな点数とります。その部類に入るかも知れません?
    > 迫り来る時がんがきになりますよね?
    > 宿題はタイマーかけながらやらせるようにしてます?なるべく励ましてやる気をだすようなかんじで学習をさせてます?
    親が子供の特性を理解して、褒めて励ましてあげるのが一番大切ですよね。

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