「今、ここ」

ちょっと前に、茂木健一郎さんと甲野善紀さんの対談本(文庫本)「響きあう脳と身体」という本を読みまして、
実に興味深く示唆に富んだ本であったのですが、
その中で精神科医の名越康文さんのエピソードが紹介されていました。
前々からちょっと気になってた先生なので、これは本を読んでみるかー、と近所の本屋に行って探してみたところ、新書1冊しか私は見つけられませんでしたので、それを買いました。
『心がフッと軽くなる「瞬間の心理学」』
という本です。

心がフッと軽くなる「瞬間の心理学」  角川SSC新書 心がフッと軽くなる「瞬間の心理学」 角川SSC新書
(2010/05/10)
名越 康文

商品詳細を見る

そしたら、読み始めてすぐに思いました。
「こ、これは…スピ本ですか?」
って。
もちろん、スピ本ではありません。
現場でばりばりやってきた精神科医が、生きるのがしんどい人たちに対してどうしたらいいか、ということをアドバイスしている本です。
でも、それがどうしても本質的にはスピなのですよ。
そりゃそうですよね。
人間というもの、人間のマインドというものを深く探求していけば、どんな道でも同じようなところに視線は向かうってなもんですよね。
で、先生はしつこいくらい「今、ここ」に意識するということを言います。
人間のマインドというのは実におしゃべりで、ルーチンワーク的に日常の仕事をこなしていると、過去へ未来へここではないどこかへと思考のおしゃべりを増大させます。
それは、「今、ここ」を十全に生きていないというのです。
言い換えると、私たちは「今、ここ」でないどこかで生きてることの方が多いのかもしれません。
で、先生は、とにかくなんでもいいから、「意識的に行動する」ことを心がけてと言います。
服を着る時でも、ただなんとなく着るのではなくて、着ることに集中してそれだけを考える。
トイレ掃除をする時は、トイレをキレイにすることだけに集中する。
そんな感じです。
少しずつそーゆーことを増やしていくと、勝手にどこかに飛んで行き不安を増大させるマインドを「今、ここ」に取り戻せるというわけです。
んでね、
仕事でも趣味でもいいんだけど、それをやってる間、すげー集中してる…って時間がありますよね。
私は、会社勤めをしてた10年以上、ほんとーにコンピュータのソフト開発がどうしても好きになれなくてそれはそれはすげー苦痛だったんですけど、
好きじゃないにも関わらず、マニュアル書きの仕事をずーっとさせてもらってる間、実際に文章を書いてる時間ってのが、それはそれはめっちゃ集中してたんです。
プログラマーとかってみんなすげー集中力を発揮してるので、マニュアルライティングでがーーーっと集中してる自分なんてふつーだと思ってたんですが、
この業界に来たばかりの外注さんが隣の席でほんとうにビックリしてたんです。
私の集中力に。
ライティングしてる時の集中度合いってーのは、もちろん周りの音が全く聴こえません。
どよーんとする工程のことも、いつまでに書かないといけないという時間のことすら頭から離れます。
ただ、書くべきことを漏らさずに、そして誤解のないように明確に書く、ということだけに集中してたのです。
実は、そーゆー集中力ってーのは、ストレスが溜まった時にがーーっとマンガを3時間くらい続けて読む…というストレス解消をしてる時もそうなんです。
精神的なストレスは、ゆったりのんびりする…というのではなく、私はとにかくがーーーっと集中してマンガを読むことで解消するのが一番だったんですが、それはけっこー的を得てたんだなー、と名越先生の本を読んで納得しました。
そして、私がバカバカしい日記から、けっこーマジメな日記まで、いろんなことをこうやってほぼ毎日書いてますけど、
やっぱりこうして書いてる時って、やはりかなりの度合いで集中してるんですよね。
(今は、そんなに集中度合いは高くないけど。子供たちがいるから~。どしてもある程度、子供たちの気配に心を開いてるんでね。なのでこーゆー時はテレビの音もある程度入ってくるのだー。)
ああ、もちろん、天使の絵を描いてる時も集中してます。
気がつくと「もうこんな時間だー。」ってのばかりですからね。
そうやって、自分が集中できること、「今、ここ」でしか生きていない自分になるスイッチが明確であるということは、すごくラッキーなことなんだなー、と思い至りました。
本を読んで。
ふつーだと思っていたけど、これは一種の恩恵だな、と。
なので、よくよく考えてみると、
めんどくさーいと思ってなかなか取りかかれない庭の草むしりとかでも、30分間とかただただ目の前の草をむしることしか考えてないとか、
そーゆー日常のあれこれでも、やり始めるとけっこー集中してるんですよね。
私。
もちろん、嵐の番組やPV見てる時は、潤くんとニノに集中しとるぞ!
すげー集中力だぞっ!
ただ、集中してる時とだらだらしてる時の落差はすげーがな。
はっはっはー。
というわけで、生きづらいわー、ネガネガしちゃうわー、という方にも分かりやすいアドバイスがされてますので、名越先生の本はオススメであります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です