『神さまっているの?』

先週のうちに、頼まれていた原稿は書き終えまして、額屋さんに行って新しい額を注文したり事務仕事を片づけたり……と、最低限やるべきことはやりましたけど、
薬の副作用で毎日眠くて眠くて、なかなかブログを更新できずにおりました。
……鼻炎用の抗アレルギー剤と軽い咳止めです。
ええ。なんちゃら症っぽいですよねぇぇぇ…。
先生はハッキリとは言いませんでしたけど、風邪ならもっと早く治りますよねぇぇぇ……。
ううううううううん。
……認めたくないものだな。
というわけで、
今回は娘の「夏休みの作文」を載せることでお茶を濁そうとしております。
3年生の夏休みの宿題で書いた生活作文です。
先日、返却されてきたので、写してみます。
(読みやすいように、ほぼ一文ごとに改行しておきます。)

神さまっているの?
2年生の時に、おふろの中でお父さんがわたしに「神さまっていると思う?」としつもんしてきました。
わたしは、わからないと答えました。
お父さんもわからないと言ったので、このしつもんに答えられる人はあまりいないだろうと思いました。
でも、ほかの人の意見をきいてみたくなったので、原田先生にしつもんしてみました。
「先生、神さまっていますか?」としつもんしたら、原田先生は「いるよ。神さまは人間をあたたかく見守っているよ。」と言いました。
なるほどなぁ、とわたしは思いましたが、後からちがうぎもんが出てきました。
神さまがいるなら、どうしてせんそうがおこるのか、というぎもんです。
なので、原田先生にもういちどしつもんしてみました。
「世の中を動かしているのは神さまじゃなくて人間だからだよ。」と原田先生は話してくれました。
なるほどなぁ、と思いました。魚からさるのような生物にしんかして人間になったと聞いたことがあります。だから、たまたましんかした人間を神さまが見守っているだけなのかなぁ、と思いました。
わたしは、原田先生に神さまがいるかをきいてみたら、もっとほかの人の意見も聞きたくなったので、お母さんにそうだんしました。
すると、お母さんは、占いの先生にきいてみたらと言いました。
ふしぎな力を持っている先生だとわたしも知っていたので、それがいいと思いました。
それで、お父さんとお母さんに占いの先生のところにつれていってもらいました。
わたしは占いの先生に神さまがいるのかどうかをしつもんしました。
すると、占いの先生は「いるよ。」と言いました。
「それならどうしてせんそうがあるんですか?」とつづけてしつもんしました。
占いの先生は「神さま、考えて考えて考えて、ものすごくいっぱい考えて、人間に自ゆうをあたえたんだよ。だからせんそうもおこるんだよ。」と答えてくれました。
ほかにも占いの先生は「でも、せんそうでしんだ人は神さまがたすけてくれるんだよ。」「だれでも思い出せば、神さまのことが分かるんだよ。でも、なかなか思い出せないんだよね。」と教えてくれました。
わたしは、思ってもいなかった答えでびっくりしました。
原田先生と占いの先生の話を聞いて、わたしは本当にいるのかどうか分からないけれど、神さまはいると思いました。
神さまがたくさんたくさん考えて人間に自ゆうをあたえたと、占いの先生が教えてくれたけれど、自ゆうがあるということは悪い心を持つこともできます。
それでせんそうがおこるし、いじめもあるし、ケンカもあります。いやなこともいっぱいおこります。
それなら、自ゆうがなくて神さまの言うとおりにしか動かない生物だったら良かったのかな、と考えてみたけれど、それも幸せじゃないと思いました。
夏休み中にお手つだいをしていて、ほうちょうで指を切ってしまいました。
とてもいたかったけれど、ほうちょうで切る時はかならずねこの手にしないといけないと分かりました。
いやな思いをすると、言われただけよりもっとよく分かるので、神さまは人間に自分でよく分かるように自ゆうをあたえたのかな、と思いました。
でも、たまたましんかした人間を神さまが見守っているという考え方も、神さまが人間を作ったという考え方も、どちらも大切だとお母さんが言いました。
だから、いろいろな人の意見を聞くのは良いことだし、答えは一つじゃないと分かりました。

娘が「学校の先生にも質問してみたい。」と言い出した時に、すぐに「原田先生に質問してみ?」と私は言いました。
ベテランの男性教諭で、さらにこの手の質問にもちゃんと答えてくれる先生だと分かっていたからです。
先生としても人としても信頼できる人だと私は思っているから、原田先生の名前を出したのでした。
そしたらですね、娘が先生に質問するつもりでいたけれど、なかなか先生と休み時間に遭遇できずにいた数日の間に、息子の用事で小学校に行った時に私の方が原田先生とたまたまバッタリ会うことができたので、
「先生ぇぇー。娘がねー、先生に『神さまっているの?』って質問したいって言ってるから、ご面倒かけますがお願いしますねぇぇぇ。」と根回しもしたのでした。
先生は「へぇぇぇ。そんな疑問がもう出てきたんだねぇ。分かりました~。」とニコニコしながら引き受けてくれました。
そして、占いの先生というのは、私たち夫婦が20年近く前から時々お世話になっている豊橋のおちゃめな霊能師の先生のことです。
先生が娘に対してどうやって答えてくれるのかなー?と私も楽しみにしていたのですが、さすがでした。
隣で先生と娘のやりとりをずーっと聞いていて、「ほぉぉぉぉー。」と心の中で何度も唸りましたもん。
もちろん、彼女が一人でこれを書き上げたのではなく、私がつきっきりで「人に読んでもらえる文章の書き方」というのをアドバイスしながらだったのですが、それでもちゃんとね、娘の中に在ったものだけをアウトプットしております。
子供は根源的な問いを大人に投げかけることがありますが、その問いによって、その大人の人生そのものを問われているようにすら感じることがあります。
娘は私には直接この問いを投げかけることはありませんでしたが、誰に質問したらいい?と相談してきてくれた時に信頼できる人たちの名前を出すことができて良かったと思ってますし、
娘がそれぞれの答えを彼女なりに消化して自分のものにできたみたいなのが、ほんとうに良かったなぁ、と思っています。
そうなんですよねぇぇぇぇぇ。
自分の中に在るものを、ちゃんと他人に伝わるように表現する力をつけるのって、ほんっっっと大切!

“『神さまっているの?』” への2件の返信

  1. 娘さんの作文の内容、中世の神学者であったピコ・デ・ラ・ミランドラの
    『人間の尊厳について』に通じるものがあり、素晴らしいですね。
    ところで、この作文を読んだからでしょうか、哲学の方で、最近色々と
    考えていることについて、昨夜入浴中に「ハッ!」と気づいたといいますか、
    色々なものが繋がったといいましょうか、そういうことがありました。
    その時、風呂場の換気扇の音が賛美歌を歌っているかのように聞こえました。
    さらには、頭の中で天使がラッパでファンファーレを吹いているような、
    そしてまた、くす球が割れたような、ぱんぱかぱん状態でありました。
    神様がヒントを与えてくれたような気がしましたよ!
    娘さんのおかげかもしれません。
    お礼を言っておいてくださいな。

  2. > 娘さんの作文の内容、中世の神学者であったピコ・デ・ラ・ミランドラの
    > 『人間の尊厳について』に通じるものがあり、素晴らしいですね。
    ありがとうございます。
    ねこだるま先生の姪なだけありましょう?
    > ところで、この作文を読んだからでしょうか、哲学の方で、最近色々と
    > 考えていることについて、昨夜入浴中に「ハッ!」と気づいたといいますか、
    > 色々なものが繋がったといいましょうか、そういうことがありました。
    > その時、風呂場の換気扇の音が賛美歌を歌っているかのように聞こえました。
    > さらには、頭の中で天使がラッパでファンファーレを吹いているような、
    > そしてまた、くす球が割れたような、ぱんぱかぱん状態でありました。
    > 神様がヒントを与えてくれたような気がしましたよ!
    なんと素晴らしい!!!
    > 娘さんのおかげかもしれません。
    > お礼を言っておいてくださいな。
    いえ、それを言うと調子に乗るので言いません。
    あいつ、すぐ調子に乗るんやてー!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です