昨日の夜のことですが。
NHKで認知症についての番組が放送されてまして、それを私が観ていたら、
お風呂から上がって、パジャマを着た娘が私の隣にちょこんと座って、一緒にその番組を観始めました。
もう寝る時間だけど、翌日(今日)は学校が代休だから少しはいいかー、と思って、そのまま2人で観ていました。
ついつい認知症の人に対して、家族が強い口調で叱ったりすることが多くなりますが、
それは認知症の人にとってはとても辛いことで、しかしそれを言葉で上手く伝えられないので、徘徊や暴力など問題行動となることも少なくない、という説明がされていました。
そこで、
「(死んだ)大おばあちゃんも、じじとばばに叱られると怒ってたよねぇ。」
と、娘に言うと、
「うん……。私ね、あの頃ね、じじとばばんちに遊びに行くよ、と言われると、ドキっとしてたんだよ…。」
と、娘が言いました。
娘はまだ保育園児の頃でした。
ダウン症の息子の方は、あの頃は祖父母の家に行くと、「もう帰ろう。」とすぐに言うことが多かったので、祖父母が曾祖母に強い口調で叱っているのも、曾祖母が怒っているのも、すごくイヤなんだろうな、というのは分かりましたが、娘は何も言いませんでした。
それでも、おそらくイヤなんじゃないかなぁ…と私もお父ちゃんも思ってはいましたが、やはりそうだったんだなぁ……と、申し訳なく感じました。
大おばあちゃんは、とても元気でとても社交的な人でした。
それが、心筋梗塞で倒れて、手術をしてから認知症になり、徐々に徐々に症状は重くなっていきました。
トータルで10年弱だったと思います。
大おばあちゃんとお義母さんは、嫁姑の間柄なのに仲が良かったので、周囲の人たちも「ほんとの親子かと思った~。」と言われることが多かったそうです。
しかし、大おばあちゃんが認知症になる前から、お義母さんも体調が悪くて寝込むことが多かったために、最期の3年ほどは特に大おばあちゃんのお世話をするのは本当にめちゃめちゃ大変だったと思います。
お義父さんも夜中に大おばあちゃんが起きて歩き回らないように、近くの部屋で寝るようにしていたので、すごく大変だったと思います。
……でも、ね。
やっぱり、子供たちと同じように、あの頃は私もすごくしんどかったのです。
いちいちそんなふうに叱らなくてもいいのに、と行く度に思っていました。
嫁の立場といえども、自分ががっつり手伝いをしているなら、腹を割って話すこともできますが、身体があまり丈夫じゃない上に小さい子の子育て中だったので、お義母さんのお手伝いを何一つすることができなかった私はやんわりと一度だけ言うに止めました。(←なので、たまに会った時にはお義母さんの話を肯定的に返事しながら聞くことに徹していました。それが私のできる親孝行と思ってました。)
お父ちゃんは一度だけ両親に話したことがありますが、親子は親子でこれまた難しいみたいでした。
強い口調で叱ってばかりだから、大おばあちゃんも怒るし問題行動も増えているのだ、ということを、とうとう真には理解してもらえませんでした。
毎日のお世話が大変で、そのストレスでつい強い口調で叱ってしまう……だけではないよな、と思って私は見ていましたが、
昨日のテレビ番組を観ていて、ああなるほど、と思いました。
お義母さんもお義父さんも、『大おばあちゃんの認知症はもう治らない、と諦めることができなかった』のだと思います。
口では「ボケちゃったから仕方がないよね。」と言っていても、元気だった頃のイメージを横に置いておくことができなかったから、ついつい「さっき着替えたばかりでしょ!」「さっき言ったでしょ!」「さっき食べたばっかでしょ!」と叱らずにいられなかったんだろうな、と思いました。
お義父さんはその人生の全てを、お義母さんにしても人生の多くを、ずっと元気でずっと明るかった大おばあちゃんと一緒に暮らしてきたからこそ、大おばあちゃんのイメージを上手に刷新して切り換えることが難しかったのかもしれません。
オカンのお友達は、そこらへんがとても上手だったそうです。
認知症の身内がいろいろ言ってきても、上手く流して上手く返事をしていたそうです。
彼女はもうすっかり諦めることができて、今の目の前の身内と上手く付き合うことを最優先にしたのだろうと思います。
諦めずに夢や志を持ち続けることも簡単なことではありませんが、
腹の底から「ちゃんと諦める」というのも簡単なことではないのかもしれませんね。
もしかしたら、「ちゃんと諦める」「諦め上手」なことが、人生をいい塩梅に創造していくコツなのかもしれないなー、なんて思ったりもしました。
「ボクは諦めませんよ?しつこいですよ?」
……うん。知ってる。
だからとうとう我が家に転がり込むことに成功したもんね。
前に別の名前で一度だけコメントさせていただいた者です。
いつも読ませていただいてます。ありがとうございます。
「ちゃんと諦める」
これにもハッとさせられました。私、今までちゃんと諦めてこなかったなぁと。
よく、良いも悪い部分も受け入れるって話がありますが、ちゃんと諦めた上でなら悪い部分を認めて受け入れられるな、と自分で思ったのです。
私が日々感じたことを書くブログをしているので、この出来事について書くときに、よろしければたみえさんのブログの記事にリンクを貼らせていただけたら嬉しいです。
> 前に別の名前で一度だけコメントさせていただいた者です。
> いつも読ませていただいてます。ありがとうございます。
こちらこそありがとうございます~~♪
> 私が日々感じたことを書くブログをしているので、この出来事について書くときに、よろしければたみえさんのブログの記事にリンクを貼らせていただけたら嬉しいです。
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