「心の型」

先月、コレ
http://www.nhk.or.jp/special/detail/2013/1013/
を見たんです。
中国では、急激な経済成長の歪みがいろいろ発生しているそうで、
人々の「心の在り方」も問題になっているそうです。
お金至上主義みたいになってしまった人たちが多く、自己中心的で自分勝手な、「人との心のつながり」がどういうものか分からないような人がとても多くなってしまったのだそうです。
番組の中でも紹介されていましたが、たとえば、2歳の子供が車に轢かれて倒れているのに、何人もの人が無視してすぐそばを歩き去っていく様子が防犯カメラに写ってしました。
そんな中国で、人としての在り方、心の在り方を見直そうとする動きも出てきているそうで、
それを担っているのが、儒学とキリスト教でした。
国としては儒学を推奨して、人民の心を律しようと考えているらしいです。
キリスト教(宗教)は共産主義国家ではソリが合いませんが、党も黙認してるみたいです。
お金儲けのことしか考えていなかったセレブな女性が、ご主人が亡くなり、事業に失敗した途端、周囲の人々が去っていき、とてつもない挫折と苦悩を味わったそうです。
その時に彼女を救ったのが儒学だったのだそうです。
儒学を学ぶ集会に出席し続け、自分の至らなさを省みて、号泣していました。
地方の共産党員として頑張っても、思うような出世ができず、おそらくいわゆるうつ状態になってしまった男性は、キリスト教の牧師さん…なのかな??に相談していました。
今の良くない状態は悪魔のせいだ、と牧師さんは言って、悪魔払いみたいなこと(聖水を撒いたんだっけな?)をしていました。
人間って、道徳や信仰などを「指針」として習得しなければ、迷走しやすい心を有してるんだろうなぁ~、と番組を見ながらあらためて思いました。
お金や権力は誰の手にも入るものではありませんから、それが万人の「生きる指針」「人生を支えるもの」にはなり得ないですし、
やはり、そういう「欲(エゴの主たる作用)」とは別のところにあるものを求める心の作用というのがあるような気がします。
ただし。
あくまで、儒学にしてもキリスト教にしても、救いの入り口だと思うのです。
迷走している心に「型」を教えるようなものだと思うのです。
ですから、目上の人の引き立てが無く出世できないことが「悪魔の仕業」だというのは、その時の彼にとっては救いになるけれども、ずーーーっとそこに留まっていては一種の思考停止になると感じますし、
儒学を学んでる女性にしても、同じことを感じました。
私は、宗教もスピも「型」だよなー、と思うことがよくあります。
「型」を習得したら、次はその型を越えていくというステップが待ってるんじゃないかなー、と思うことがよくあります。
だって、「型」はあくまで「方便」ですから、そこにこだわっていたら、ほんとうの「向こう側」に触れることができないと感じるからです。
この本を作ったP様はよく「自分を最優先にして、自分のことだけ考えればいい」など、そのようなことを書いてらっしゃいますが、
それは、こうあるべきという「型」に縛られている人に対しての言葉だと思うんです。
だって、それこそ自己中心的で自分勝手な人にそんなこと言ったら、さらに周囲が困る状況になるだけですもんね。
人としての「心の型」をある程度習得したら、そこからは自分なりに心を育てていく気概も大事なんだろうと思います。
それが、その人の個性となり、豊かな人生を創造していく土台となるんじゃないか、と私は考えています。

“「心の型」” への4件の返信

  1. このテレビ私も見ました。為政者としては、思考停止していてほしいんだろうな。と思いながら見てました。でも、自分もそうなる危険性と隣り合わせなのだとも思いました。
    心して掛からねばw

  2. > このテレビ私も見ました。為政者としては、思考停止していてほしいんだろうな。と思いながら見てました。でも、自分もそうなる危険性と隣り合わせなのだとも思いました。
    > 心して掛からねばw
    んー。
    私は番組を見てて、
    中国の為政者たちは『思考停止していて欲しい』というよりも、
    「あー、もー、もっとみんなお行儀良くしてよー。」
    って頭抱えてるんだなー、って思いました。
    孔子様もびっくりの状況みたいですもんね。今は。
    ……だって、私も中国産の食べ物は申し訳ないけど避けますもん。

  3. 民絵さんお忙しいのに、ありがとうございます。私の言葉が足りなさすぎたので、補足だけ。
    為政者はお行儀よくしてほしい、けど自分で判断して行動されたら困るから都合のよい型を限定してるように思えました。華道で言う守破離で自分のものにできれば型が少なくても問題ない気はします(*^^*)

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