今まで、
かの大戦の前線で、身の内から一気に闇に喰われていき、咄嗟にツインが剣でタミエルのお腹を刺したということや、
実験中の「分離した闇」に小さなファウが呼ばれて浸食されたとか、
自分が「失われる立場」としての視点で悲しみを感じたことはあったけど、
今回は「目の前で大切な人を失う立場」の視点で、かの大戦の前線のビジョンが出てきたのでした。
自分の子供のように弟のようにかわいがっていた大切な子。
強い瞳の、金色の翼の子。
まだ成長しきっていない小柄な身体で、大剣をふるう子。
肉体の私としては、いくらミカエル系の天使といっても、なぜ戦士向きとはあまり思えないタミエルが前線部隊であるカマエル軍にいたのか、ずーっと不思議だったのですが、
彼のことが心配で志願したようだ、ということが分かりました。
そして、そんなタミエルを心配して、親友がやはり近くにいてくれました。
ラファエルの色に似た、穏やかな美しい親友が。
そして、その心配は的中し、
目の前で彼が闇に喰われて、失われてしまいました。
深い悲しみの中で、タミエルはその後もしばらく戦いの中にあったのですが、今度は自分が親友の前で闇に喰われたのでした。
大切な人を失った時は、あっと言う間だったのですが、
自分が闇に喰われていく時は、周りの世界がスローモーションで見えていました。
駆け寄ってくる親友の顔をスローモーションで見ながら、声にならないさまざまな言葉を心の中で発していました。
……あの子も、こんなふうに私が見えていたんだな……
と、思っていました。
肉体の私としては、号泣するしかありませんでした。
この人生での経験ではないけれど、生々しく感情が動くので滝のように涙が出て、身体が、手が震えてました。
目の前で大切な人を失う悲しみ、
大切な人の目の前で消えていく悲しみ、
それらが魂の中に刻まれてたんですね。
大戦でのデキゴトが真実なのか妄想なのかという葛藤は、どうしたって各自のフィルターがかかるので、ほとんどどうでもいいことで、
大事なことは、
肉体の、顕在意識の「私」が「魂の悲しみ」に寄り添って、魂の代わりに涙を流すということと、
こういう「物語」を通して、自分が普遍的なテーマに対峙してるって気づくことなんだと思います。
さて。
今回のこれらのビジョンが浮かんできて、はっとしたのですが、
今の「ペリドット色の穏やかなとても背の高いタミエル」というのは、この親友の雰囲気に似てるのです。
雰囲気が似てしまうくらい親密で、深く影響されてたんでしょうかね。
それからもうひとつ。
……タミエルのお腹を剣で刺したのって、ツインじゃないかも。
たしかにね。
自分が見たビジョンはツインじゃなくて、ミカエルだったんですよ。
それを、とある方にミカエルじゃなくてツインでしたね、と言われて、
ああそうなのか、とするっと受け入れたんですね。
で、たしかにそれから怒濤の「ツインに関していろいろ考えさせられる1年」になったので、それはそれで必要なキッカケだったんだと思うんですが、
ここにきてねー、やっぱりあれはツインじゃなかったんじゃないかなー、と、感じました。
まぁ、お腹を刺したのがツインだろうがミカエルだろうが親友だろうが、誰でもいいんだけどね。
深い愛がそこにあってこそ、なんで。