小学生の頃、IQテストが苦手でした。
私と違って弟たちはIQが高いんですが、私は結果がいかほどかなんて知りませんけど、結構低かっただろうな、と思っています。
なぜなら。
どうにもこうにも空間認識能力が低いからです。
ええ。
どうやら脳の一部の機能がOFFになっているかのような感じなのです。
そんな私。
苦手なりにもなんとか生きてこれました。
数学は基礎解析になるまでは騙し騙しやってこれました。
運転免許も取れました。
高速も走ったことがあります。
田舎に引っ越してきてからは、以前よりちょくちょく運転するようにもなりました。
でもね。
やっぱりダメなんです。
空間認識が曖昧なのです。
だから車庫入れはいつまでたっても下手だし、狭い道でのすれ違いなんてドキドキです。
それでもね、田舎のスーパーの駐車場は広いし、田舎のドラッグストアの駐車場も本屋の駐車場も万屋の駐車場も広いからなんとかなっていたんです。
そんなお母ちゃんに大ピンチがやってきました。
実は数日前から家の前の道で工事をしています。下水管を埋める工事です。
ウチから見て、手前の車線(左折して出る方)ではなく、奥の車線(右折して出る方)をだだだーと掘り起こしています。
今日はとうとう車庫から出た真ん前の道のところでどかんどかんと工事が始まりました。
ですから、右折して出るにしても、一旦は手前の車線を走ることになります。
それからね……。
ウチから出るとすぐに歩道なのですが、その歩道と車道の間にガードレールがあります。
このガードレールがちょっとクセモノで、普段もバックで出るのにとても邪魔なのです。
さすがに慣れましたが、それでも空間認識能力が低い私の場合は、左に曲がって出るにしても、奥の車線までどーんと車のお尻が出ていかないと上手に出られません。
お父ちゃんみたいにちゅるんと上手には出られないのです。
で。
お父ちゃんが言いました。
「今日、予防接種に出かける時、左(手前の車線)に曲がらずに、遠回りだけど右に出るといいよ。お母ちゃんだと曲がり切れずにガードレールに擦ると思うから。車はバックして入れておいたから、頭から出られるからね。」
そっか。ラジャー!
しかし…。
右に曲がろうと思っていたんですが、ちょうどそこにデカい工事車両がいたのです。
なので、なんとかなるかな、と思ったお母ちゃん。
甘かったですね。
左に曲がって出ようとしたら、お父ちゃんの予言通りの結果になりました……。
車の大きさがイマイチ把握できてないお母ちゃんは、工事中の道路の溝に落ちちゃうような気がして、早めにハンドルを切ってしまったのです。
そして、焦って困ったお母ちゃんは慌てて更におかしなハンドル操作をしてしまい、もうどうしていいか分からなくなってしまいました。
もともと曖昧な空間認識能力がエラー音ぴーぴー鳴りっぱなしになってしまいました。
トホホ過ぎです。
おかげさまで、すぐに現場のおじちゃんたちが誘導してくれたので、なんとかなりましたが、すっかり意気消沈なお母ちゃんでありました。
でも、「きっと大難が小難になったんだわ。これくらいで済んで良かったのよ。」とすぐに思いなおしました。
そして、心の中で「ありがとう。」と感謝しました。
結局、キズだらけになっちゃった、と思った側面も、お父ちゃんがクリームクレンザーで磨いたらキレイになりました。
「ガードレールの塗料がついてたんだよ。まぁ少しばかりキズもあるし、ちょっとだけドアが凹んだけど。」とお父ちゃん。
おおおおおお。良かったよぉぉぉぉぉぉぉ。
きっと、道路工事のおじさんたちは「あそこの奥さん、運転が下手だねー。」とくすくす笑っちゃったことでしょう。
ええ、下手なので笑われても仕方がありません。
だからね、笑ってくれてもいいから、早く工事を終わらせてね。お願いしまする~~~。